公益社団法人 日本技術士会北海道本部
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地域産業研究会 地域活性化分科会 中間報告
         
 
  T.これまでの活動報告
  1.地域活性化分科会 総括
 −地域と仲良く活性化を考え続けるために−
  研究会設立の目的・活動方針及び活動経過を整理すると以下のようになる。
 
〇目的
・北海道の過疎地における地域産業及び住民活動の活性化を促すための研究・活動を行う。
〇活動方針
・地元との交流を主体として研究活動を行ない、地元ニーズに呼応した活動を行う。
・地元交流をベースにした情報・人脈交流を通して何等かの活動の軌跡を残せたら。
・活動の方針として「寿都を知ろう・調べよう・考えよう」を基本に研究・活動を行なう。
〇活動経過
  ■1999年
 
8月30日 設立総会、講演会 <12名> 設立趣旨、活動計画 かでる
11月26〜27日 第1回分科会 役場3名 分科会9名 現地の課題ヒアリング 寿都町
  ■2000年
 
4月7日   <幹事会5名>H12年活動計画及び総会の進め方 KKR
4月21日 第2回分科会・総会 10名 寿都を調べようの今年度活動計画の討議 KKR
5月26日   <幹事会5名>活動計画の進め方 KKR
6月23日   <幹事会6名>寿都情報・資料整理及び合同見学会について KKR
5月〜7月 地元イベント交流 (釣大会、カキ祭、寿都神社祭 寿都町
7月19日   <幹事会5名>地元交流及び合同見学会について KKR
7月28日 第3回分科会 10名 寿都の情報及び視察経過など 開発工営社
8月26〜27日 合同見学会 48名 とまりん館、寿都町、黒松内町 寿都町
9月8日 合同見学会報告会 15名 現地研修報告編集会議 KKR
10月12日   <幹事会6名>合同研修会と今後の進め方 KKR
11月2日   <幹事会5名>第4回分科会の進め方 KKR
11月17日   <幹事会5名>第4回分科会の進め方・総会に向けて KKR
11月24日 第4回分科会 役場4名、研究会24名 寿都町幹部を囲んでのワークショップ かでる
  ■2001年
 
2月16日 第5回分科会 20名  WSのまとめと次年度方針 飛島建設会議室
4月13日   <幹事会 6名>現地懇談会に向けて KKR
4月20〜21日 地元懇談会 <役場4名 幹事 4名>今後の研究会活動について 寿都町
5月9日 総会・第6回分科会 27名 H13活動計画 クリーンをテーマとした活動討議 飛島建設会議室
5月〜7月 地元イベント交流 (カキ祭、寿都神社祭 寿都町
6月11日   <幹事会5名>次回分科会について KKR
6月23〜24日 第7回分科会 寿都産業を知る(寿都物産展のお手伝い) 幌市大通
8月1日   <幹事会5名>地元懇談会について KKR/td>
9月7日   <幹事会6名>次回地元懇談会について KKR
10月19〜20日 第8回分科会 役場4名、住民4名、研究会9名 寿都住民との懇談会 寿都町
12月7日   <拡大幹事会10名>今後の活動について 飛島建設会議室
  ■2002年
 
4月5日   <拡大幹事会10名>恒例会・中間報告・今年度活動について 飛島建設会議室
5月一杯(予定)   中間報告書とりまとめ  
5月〜9月(予定) 地元イベント交流 (釣大会、おさかな市、カキ祭、寿都神社祭、物産展(大通り・札幌ドーム)) 寿都町
6月上旬(予定) 第9回分科会 役場・研究会 今後の活動の具体的テーマについて 寿都町
6月下旬(予定) 地域産業研究会・恒例会    
 
 
〇活動の中で考えたことの中間整理
・地元との交流を主体として研究活動を行ない、地元ニーズに呼応した活動を行う。

「作るまちづくり計画」から「造るまちづくり計画」へ
−「作るまちづくり計画」〜「創るまちづくり計画」〜「造る(動く)まちづくり計画」へ−
 これまでの町づくりなどの諸計画は、各種規制のクリアを目的とした「作る」計画づくりから、様々なアイデア、成功及び先行事例から学び、当該地への適用を考える「創る」計画づくりへ変化してきた。そしてこれらは、計画の定型化を産み、更に「金太郎飴」と言われるように、諸計画の類似化などの弊害も産み出してきてしまいました。
 これらの反省から、将来に向けての公共事業における投資妥当性などの情報公開及び、住民が満足する諸計画の策定に向けては、住民意向の反映が重要な鍵となるところから、住民参加(造る・築く)を基本とした計画づくりから「動く」まちづくり計画への変化が必要となる。
・「作る」=様式を埋めるイメージ    (計画に資する諸規制のクリア → 計画のルーチン化)
・「創る」=新たな発想で創造するイメージ(新たな成功事例の適用    → 金太郎飴)
・「造る」=臨機応変に変化するイメージ (住民参加型の計画と実践(動く)を結ぶ組織(システム)づくり)

「交流」と「学習」による新たな「パートナーシップ」づくり
−「地域内パートナーシップ」&「行政パートナーシップ」&「地域外パートナーシップ」−
 これらの計画づくりを担う住民、行政、外部知見者が、これまでと同様の意識のもとで、いくら新しい手法の会議(ワークショップ等)を積み重ねたとしても、従前と変わらぬ計画となる。
 これらを改善していくためには、地域内外・行政における、これまでの各々の諸関係を払拭した新しい意識改革が必要となり、これらの意識改革を目指して、各々が「交流」「学習」を積み重ねつつ、新たなコミュケーションの機会を創設するなど、意識改革が可能な仕組みを作りつつ、新しいパートナーシップを形成することが重要となる
・「地域内パートナーシップ」=行政への「言いっぱなし」から、「言い出しっぺ」へ
・「行政パートナーシップ」 =各課の「縦割り意識」から、全町のための「縦横無尽な発想」へ
・「地域外パートナーシップ」=地域からの「依存関係」から、「対等関係」へ アンチ提言

「計画過程」と「計画後」を結びつける「喜び」づくり
−「りっぱな計画」よりも「りっぱな計画過程」を!「実践を通した住民活動へ」−
 住民参加型のまちづくり計画は、計画自体が優れているという評価よりも、どのように住民の活動を通しながら、まちづくりを考えて行くかの「計画過程」が重要である。
 その計画過程において、住民が実践出来る何等かの活動(ex.イベント)を通して、計画の肉付けを自ら体験しつつ、実践を睨んだ計画づくりが必要である。住民も「実」を見る・体験する必要あり。
 計画後、これらの実施計画や、他の諸計画づくりにも波及が可能な組織(システム)を後代に残すことに意義がある
・「計画過程の喜び」=本計画参加による住民が、自ら体験し、発案する喜びを知ることが重要である
・「計画実践の喜び」=頭だけの計画づくりでなく、体を使った(実践)計画づくり。
・「計画後の喜び」 =3者の意識改革が生む、新しい計画手法の定着・波及。
 
地域活性化の視点(地域活性化の位置づけ)
 
 地域活性化とは、大きく経済的な活性化と、社会的活性化に大きく分かれる。
 これまでは、前者を重要視するがために、後者である社会的活性化への取り組み、投資・整備などが不足しており、一過性の経済活性化は果たしたところもあるが、継続的な地域活性化を果たしえない現状ではないか。
 社会的活性化とは、地域住民の生活環境(居住・自然環境)を整備していくとともに、地域に住みながらの活動環境(健康であり、かつ、地域文化の育成など積極的な活動が可能な環境)の整備など、地域内部の活力の醸成についての整備が必要ではないかと思われる。
 この経済と社会的な活性化が双方具備されて、本当の意味のある地域活性化が達成出来たと言えるのではないか。
 これまで、道内でも、大型リゾートの導入による地域活性化が進められた時期がありましたが、農漁村における活性化を考えたときに、大型リゾートなどの外部からの活力のみでは、地域活性化は果たせないという教訓を得ている。

 地域内の各産業の地道な努力を活用し、地域活性化を果たすためには、様々な形態はあると思われるが、地域活性化を目指した何等かの「交流環境」の形成が必要になる。
 この「交流環境」に関して、いかに地域の基幹産業もしくは関連産業が、付加価値の高い物品・サービスを提供出来るかが重要になろうかと思います。
 また、社会的活性化を考えると、住民が定住しやすい居住環境を基本として、やすらぎのある景観の良い交流環境を整備することが出来ます。しかし、その優れた環境を背景とした交流環境において、地域内部の活力を注入することが必要であります。
 そのためには、交流拠点のみならず、住民活動が盛んに行われる活動環境が備わり、これらの交流環境を積極的に支える担い手として、地域住民の活力が結集していく必要がある。

 これまで、拠点などの構造物への投資が重点として整備されて来たが、これらの地域内部の活力を増大するための投資=人的・社会的投資を行うことで、地域活性化の達成と継続がかなうものと思われる。
 要するに、地域活性化には内発的な活力が必須であり、これらの内発的な活力を、どのように引き出し、活動に結びつけるかが重要となる。
 そのために、我々コンサルタントも原点に立ち、改めて、地域に立脚した諸計画の立案に対する努力が必要になると思う。

 外部活力頼りの地域活性化の反省から、内部活力をもとにした地域活性化を考える場合の2つの対象的なキーワードとして、「シェフのお奨めメニュー」から「TV料理教室」の発想により、地域活性化を考えるべきではないかと言うことであります。
 確かに、名シェフの作った料理はおいしいが、それが、全ての人達(全ての地域)に受け入れられるとは限らない、高いお金を払えば、おいしいものを食べられるが、それを継続出来る客層(地域)は限られている。
 かつて金太郎飴との批判を受けたのも、このような考えではなかったのかと思われる。最良なものは、すべてにおいて優れているという考えは、多様な個性をもった農漁村の地域の自立に向けては、異なった価値観ではなかったのではないかと思われます。
 それよりも、地元の材料(地域資源)の特性をよく知っている、地元の方々の手(地元住民の合意形成)で、料理(計画)をつくるときに、良きTV料理教室の先生(コーディネーター)となり、地元とともに料理(計画)を作っていくのが、長続きするおいしい料理の秘訣ではないかと思われます。
 このように、地域住民と共にプランニングするという視点が、着実な地域の自立という視点で重要になるものと考えられます。

 これらの視点は、現在、問題となっている公共事業のあり方に広く波及するものと思われます。
 今後、一層、地元からのニーズをもとにした公共事業へと変遷していく中で、「TV料理教室」的なコンサルタントが重要になってくるものと思われます。
 それは、これまでの技術蓄積を有しながら、住民参加による計画へ向かっていかなければならず。その原点は地域をよく知る、調べる、地元との交流から学ぶことから始めるべきではないかと思う。
岩崎 元彦
 
  2.平成11年度活動報告
  平成11年度活動報告 畳谷幹事
 
  3.平成12年度活動報告
  平成12年度活動報告 北越幹事
 
  4.平成13年度活動報告
  平成13年度活動報告 柴田幹事
 
  U.地域活性化分科会の今後の活動計画
  1.平成14年度活動方針
 
 12月7日の拡大幹事会で平成14年度は以下のような活動方針で分科会を行なうこととした。
@ 今年8月で設立3年目となるために、これまでの経過を整理する。
A 寿都町とは、この3年間でより良い人脈ネットワークが形成出来たことから、今後とも、町との交流において地域活性化をともに考えていくこととする。
B 寿都町のメンバーの人事移動や、片岡元課長が町長となったことから、これまでの3年間の基礎をもとに、新体制となった寿都町と話し合いの場を持ち、活動の具体化を図りたい。

<具体的取り組みへの意見>
@ 「交流」と「学習」による新たな「パートナーシップ」づくり(地域の活性化をともに、考えられる関係づくりの継続と発展)
A 「クリーン」をキーワードとした具体的活動方向を示す(例:寿都の海=クリーン会議、海岸クリーンイベントなど、寿都の人が活性化を考える「きっかけ」づくりに
B 「道の駅(海の駅)」への提案
C 住民懇談会、ワークショップなどの継続と発展
D インターネット活用に寿都町のイメージアップ
E 「歴史と文化のまち・寿都」を旗印に、自然との調和のなかで活性化展望を図る
F 市町村合併、財政緊縮・経費節減などの技術的アプローチ

 13年度同様、春先に当研究会幹事も拡充し、新体制の寿都町を訪れ、今後の活動について話し合いのもとに具体的な活動へと展開していく予定である。
 
  2.平成14年度活動方針(分科会会員)
 
地域活性化分科会の活動について、今後の活動方針を会員から募集したものです。
平成14年6月20日