地域活性化分科会では 「寿都を知ろう・調べよう・考えよう」をテーマに三年間活動を続けてきた。その間の分科会活動への関わりを振り返りつつ 分科会のこれからのステップを考えてみたいと思う。
1.地域産業研究会の懇親会にて
地域産業研究会の懇親会の会場で岩崎代表幹事から「寿都をフィールドにして地域の活性化について考えていきたいと思っていますが一緒にしませんか?」とお誘いを受けたのがこの分科会に関わるようになったきっかけでした。“地域活性化”と“寿都”の双方に興味を覚えたからです。
2.地域活性化分科会の幹事
岩崎さんの代表幹事のもとに 有山さん、畳谷さん、柴田さん、私が幹事として加わりました。その後東京から戻られた戸舘さんにも加わってもらい6人の体制になりました。
3.東野さんとの再会
この分科会は 岩崎代表幹事と寿都町の片岡農政課長(当時)の肝いりで始められた会で、そのメンバーに 小学校の同級生の東野商工観光課長(当時)もいらして寿都町での分科会の折に三〇数年振りに再会をはたしました。今では空白の期間がなかったようにお付き合いをさせていただております。
4.見学会の開催
技術士センター事業委員会との合同見学会が企画され、後志方面ということで当分科会で対応することになりました。この見学会では 準備や当日の運営に多くの方が加わりその方々と親しくなれたこと、見学会に参加された方がその後分科会活動に加わっていただけたことなどが効果としてあったように思います。
5.分科会でのあゆみ
分科会では札幌と寿都でワークショップ・会議等で“寿都の活性化”を討議しながら、寿都町でのイベント(カキ祭り、例大祭、物産展等)にも参加したりして、寿都町と交流を深め信頼関係を築いてきました。“寿都の活性化”については寿都の特徴である水産・観光に農業・地域づくりも加えたテーマで意見交換して、それらの意見をもとに具体的なテーマを提案していました。その後寿都町との打ち合わせの中で“クリーン”がキーワードとして出されています。
6.寿都ファンクラブ
寿都町と交流を深めていくなかで寿都ファンも増えて、“寿都ファンクラブ”をつくる運びになりました。同クラブでは寿都町のイベント紹介や交流会などの案内・運営を中心に活動していくことになると思います。
7.これからの活動について
寿都町の方々との話しのなかでは「町内にいては気がつかないことをいろいろとアドバイスしていただけたら」ということで始められた会であるが、これまで何回となく寿都町を訪れる度に受けている歓待を思い起こすと分科会として何か具体的にできることはないものかと考えているところです。
また寿都町で行われた分科会の折に町民の参加者の方から「この会が町に何をもたらしてくれるのか?」というような意見もあり、役場レベルと町民レベルとの違いも感じたこともありました。町民の参加者の方々とは懇親会の場やその後のお付き合いで分科会活動に少しずつ理解を示してしていただけたかなと思っています。
これからの分科会活動について「知ろう・調べよう・考えよう」から続くものは 具体的な課題に対する行動と学習になるのではないでしょうか?
@ 地元の方々と、役場をはじめとして、地元住民の方々と良き人脈ネットワークの形成が出来た。
A 地元を知る機会として、地元イベントへの参加を主として交流が継続出来ている。
B 地元での会議の場合、縦割りではなく、関係各課の横断的な話し合いのキッカケづくりが可能であった。更に、住民も含めた話し合いも実現し得た。
C 地元の方々は、厳しい現実の中で、様々な取り組みを考え実行しているが、それが全町的な活動≒活性化につながらない現実と、どう展開して(転がして)行けば良いか?という点に苦悩しており、これらが重要な課題となっている。
これらの地元との交流・話し合いを継続していくことが重要であるが、今後、活動を具体化していく場合、留意しなければならない点は以下の通りである。
@ 一過性の提言などの形にしてはならない。地域交流・人脈ネットワークなどは、今後とも、継続するのだから。
A 活性化の芽は、常に地元にあり、主体は住民であることを根本にして、我々は、地域のニーズに答える体制を継続しつつ交流を続ける中で、地域にある活性化の芽を育て上げる環境づくりの一助になれば良い。
B 地域活性化に、我々の提言などで解消する「特効薬」はない、常に、住民が行政と係わり、話し合いを続けることが可能な「漢方薬」を、飽きもせず繰り返していく中で、育んでいくものではないか?
役場・住民などとの話し合いを続けていく中で、具体化のきっかけを掴むという活動を継続していく必要があると思われる。役場・住民などの横断的話し合いの「場」に関して、情報提供や、話し合いの円滑化に資する資料提供などで、地域と供に、計画課題について「学習」を積み重ねることが出来ればよいのではないか?
これまでの補助金や、関連事業などを目標とした話し合いではなく、話し合いの中から、目標と、その達成手段などを考えて行く。役場各課・住民・事業者という主役をつなぐ役目が出来れば良いと思われる。
地元の各セクションが「串だんご」の主役である「だんご」であり、我々は「だんご」をつなぐ「串」の役目を果たせないものか?といっても、これらの話し合いは、我々の押し付けではなく、地元の自発的な「場」の形成から出発するのが最良の方法ではないかと思われる。
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