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地域産業研究会 地域活性化分科会 今後の活動に向けて(平成14年6月中間報告から) |
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寿都町の地域活性化に思う |
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橋本 昭夫 (衛生工学部門) |
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地域活性化分科会には、名前を連ねさせていただきながら、年1回程度しか参加できず、申し分けなく思っています。
寿都には1昨年、技術士会の研修旅行で参加しただけで、とても寿都を知るに至らず、このため、提案など及びもつかない状況です。
2週間ぐらい前、寿都の記事を見ました。寿都のゆべつの湯で寿都漁師の魚朝市では近郊の町や村から峠を越え新鮮で安い海産物を買い求めに大挙沢山の人が押し寄せ売買のやり取りはまるで戦場のようなとの記事です。
嵐のような時間が終わると、漁師の奥さんも含め売り手側は、フーッとため息をつきヤレヤレ嵐が過ぎ去ったかと顔を見合わせる姿。買い手側は、ゆべつの湯にゆっくりつかり、そのあと大広間で満足そうに弁当をみんなで広げ談笑し、三々五々、峠を越えてそれぞれのまち、村に帰っていく情景です。
寿都にはそんな潜在能力があるのだなと考え深く読みました。
今、わが国の医療費は年間30兆円(国の一般予算80兆円)を要する状況になっています。このうち60%が日常生活に起因する生活習慣病によるものとされていて、国民の生活習慣の改善が医療改革問題ともからんで大きな社会問題にもなっています。
札幌東区のある地域では、地域づくり、まちづくりの一環として、地域と行政が2人3脚でこの3年間大都会では困難といわれてきた地域住民による生活習慣の改善にモデル事業として取り組み、つぎのような成果を得ました。
@ 歩く生活習慣のない住民45名が、地域ボランティアの働き掛けにより30名に改善がなされ生涯医療費2100万円の軽減が見込まれた。
A この事業には普段、町内会活動に参加していない人の割合が60%近くを占め、地域町内会幹部を驚かせている。
B 普段、地区活動に参加しないとされているマンション住まいの住民、男性の参加が全体の半数を占めた。
C 参加者の中から、新たに、地域ボランテアを希望する人が多く出現し、地域活動の重要性を認識し、町内会加入率が減少する中で、地域健康づくりを通し、地域のふれあいを再認識し町内会に加入するマンションも出現した。
大都会の中では人間関係が希薄という常識がある。意外にも多くの人が人間交流を望んでいる。『この歳になって地域に友達ができるとは思わなかった。健康づくりに感謝する』との声もありました。また、『健康づくりばかりでなく、地域社会に貢献したい。』との声も多くあります。
この地域では、地域健康づくりを通した商店街活性化も今、視野に入れています。
地域には多種多様な考えがある。古い固定観念もある。その一方で、新しい発想、新しいものにチャレンジする高齢者がいる。
健康長寿日本1の沖縄のある村。90歳の1人暮らしの方が、農作物をつくり、市場で売り、地域交流の中で心豊かに満足する生活を送っている。
過疎がすべて悪いわけでもないだろう。
地域活性化とは何を目標としているのだろうか。
寿都町の活性化というとわれわれ技術士は産業活性化に即向きがち。
この感想文を求められ、今、悩んでいる。
いい町とは何なのだろう。みんなそれぞれいろいろ思いがあるのだろうから。
以 上
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