2.有機質廃棄物の現況と目指すべきシステム有機質廃棄物の循環システムを考えたとき、巨視的に見ると「地方型循環」と「都市型循環」の二つに分けることができます。現状の廃棄物の流れを解りやすく表すと下図のようになります。
【 現状の有機質廃棄物の流れ 】有機質廃棄物の循環システムを形成するためには、食物連鎖による物質収支が成立している必要があります。植物は動物の飼料として、動物の排泄物、生ごみなどの食物残さ(残りかす)は植物の肥料として、過不足なくその地域・圏域で完結することが最も重要です。そのためには、地方型、都市型を問わず各地域内の資源は、「加わらず、飛び出さず」で均衡していることが必要です。しかし、実際には海外・他圏域から膨大な量の飼料や資源の輸入・移入などがあり、それらを消費した“残さ”は、制度・技術的問題や経済的問題などにより処理しきれず、結果的にサイクルの内側から外側に向けた大きな矢印が発生しています。循環システムは成立しておりません。私達は、上図をサイクル図として完成させるための手立てを考え、提言することが、有機質廃棄物資源の社会循環システム構築の一助となると考えました。循環のための手立てには様々なものが考えられますが、それらをサイクル図に組み合せると次の図になります。
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