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第113回技術交流研究会 |
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■日 時 平成20年9月4日(木) 15時00分〜17時00分 |
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■場 所 札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号 (株)ドーコン会議室 |
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■出席者数 27名 |
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■講演概要 |
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◆演 題 |
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『四川地震視察報告』 |
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潟hーコン・防災保全部 山 真典(応理) |
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<講演要旨> |
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1.視察の経緯
今年7月初めに中国・西安市で開催された国際地すべり学会のシンポジウムに参加した帰り、急遽、予備日の2日間を利用して単独行動で四川省を訪れ、今年5月に発生した四川大地震(M8.0)の被災地の視察を行った。ただし、この視察は、時間等の関係で専門技術的な調査を行ったものではなく、今回は調査報告ではなく話題提供として講演させて頂くことを了承されたい。
2.視察地の概要
視察に訪れたのは、四川大地震の震央に最も近い町の一つ、都江堰(とこうえん)である。都江堰の市街地は平野部に位置するため、視察した範囲内では斜面災害は認められなかったが、市街地の建造物の被害は著しく多くの方の命が奪われた。
3.被災の概要
市街地中心部は多数の建物が姿を残しているもののその多くは倒壊の危険性があるため、繁華街全体が立入禁止という状況であった。一方では立入許可区域においても危険な状態にある建造物も多く残存していた。
また広域的にみると、約300kmに及ぶ断層沿いに存在する街はいずれも甚大な被害を受けている一方、同じく断層沿いに位置する都江堰でも、断層の下盤側にあたる南東方向へは断層から離れるに従い数km単位でその被害程度が対数関数的に減少している状況が確認された。
4.終わりに
四川大地震による被害がここまで大きくなった原因の一つに経済的な事情があるかもしれない。
しかし、耐震対策といったハードのみならずハザードマップの作成や情報管理といったソフト面でも技術者の果たせる役割は大きいといえる。また、確かに被災地の状況は想像を絶するものであったが、地震発生の機構、斜面崩壊や構造に関する理論等は、いずれも我々技術者が日常的に接する現象や考え方の積み重ねともいえる部分が多いのではないか。また、我々は会社員であると同時に技術屋でもある。今回初めて海外の災害現場に足を踏み入れたことで、いつか、自分の技術が役立つ世界のどこかで貢献できたらという願いは強まった。
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◆演 題 |
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『宮城・岩手地震視察報告』 |
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HRS梶@ 大浦宏照(応理・総監)
潟hーコン・地質部 山田 司(応理) |
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<講演要旨> |
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平成20年6月14日、宮城県内陸南部を震源とする地震が発生した。この地震の規模を示すマグニチュードは7.2で、震源の深さが約8kmと非常に浅く、岩手県奥州市と宮城県栗原市で最大震度6強を観測した。平成7年1月に発生し6千人以上の方が亡くなった阪神淡路大震災は、マグニチュード7.3、震源の深さ16kmであるから、地震の規模としてはこれに匹敵するものであった。今回の地震では多くのがけ崩れや、それに伴う土石流が発生し、これら土砂災害に巻き込まれるなどして、12名の死者と8名の行方不明者が出た。その一方で、阪神淡路大震災で多発したような、家屋の倒壊は33棟にとどまっている。
筆者たちは、行方不明者の捜索や応急復旧作業が一段落した平成20年7月29日から31日の3日間、現地調査を実施した。
現地では宮城県荒砥沢ダム周辺の移動土量7千万m3に上る大地すべり、岩手県祭畤(まつるべ)大橋の落橋、岩手県餅転橋付近の地表面断層、宮城県駒の湯の土石流、その他多くの斜面崩壊や河道閉塞の状況を、現地およびヘリコプターにより視察した。
今回の被災箇所の大半は、地すべり・斜面崩壊等の斜面変動を起因とするもので、道路橋がもろくも崩れた岩手県祭畤大橋も、橋台が斜面崩壊により約10m変位したことが落橋の原因であった。その一方で大規模な斜面変動箇所の近傍で、橋梁やダム、家屋等の構造物にはほとんど被災がないという点て特徴的であった。
他の研究者の報告によると、今回の地震動は短周期の波形が卓越するという特徴があり、これが家屋や土木構造物の被害が少なかった原因の一つであると考えられている。
講演では、7月31日に実施したヘリコプターによる現地視察ビデオ等を用いて、岩手・宮城内陸地震の被災概要について述べ、現地調査写真等を用いて道路の被災状況を中心に述べる。
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