寿都紀行 磯谷牧場
 
   
先ずはこの写真を見てください。磯谷牧場からほぼ真西方向を撮ったものです。今までに見たことのない新鮮な風景です。
羊諦山(1,898m)とその右に尻別岳(1,107m)、そして眼下には蛇行する尻別川が見えます。足下は磯谷牧場で、寿都町の幌尻山塊が尻別岬に向かって日本海に沈む、その突端の尾根の上にあります。
    
北に目を転じれば、雷電山(1,212m)と目国内岳(1,220m)の大きな固まりが視界を埋めています。雷電岬に至る特徴的な稜線の形が岬の形を連想させます。
    
一方、東南方向には尻別川とその支流である目名川の流域に広がる蘭越町と、さらに奥には昆布岳(1,045m)の特徴的なピークを望むことができます。
しかし、江戸時代に道南方面から海岸伝いに北上してきた人々はどのような思いでこの風景をみたのでしょうか。磯谷の地形は眼前に立ちはだかる厳しいものだったに違いありません。単なる景色ではなく、そこに人々が生きた歴史を重ねると全然違ったものに見えてきます。
    
この磯谷牧場では現在駐車場の工事が行われています。足下の草地は道路から約30mほど登ったところですが、駐車ばから見てもほぼ同じように雷電岬方面を見渡すことができます。
    
登ったところから尾根越しに寿都方面を眺めるとこのように見えます。
角度的にはほぼ南西でしょうか、寿都湾を越えて、弁慶岬から続く母衣月山(503m)を擁する寿都の後背山地を望むことができます。
紅葉の時期で山は色づいていますが、天候が悪くて冴えた色にはなっていません。また午後の時間帯とあって水蒸気があがってきており、独特の雰囲気になっています。
    
海岸を走る国道からの登口の道路状況です。この道路は島古丹から歌棄方面に約1.2〜1.3Kmの位置にあるルウベツナイ川河口の右岸から山側に入り、約200mほどで左折して砂利道に入ります。磯谷牧場への入り口としては最も北側に位置しており、岩内方面から南下してきた場合は最短ルートになります。ごく普通の林道ですが、現在は荒れていて乗用車では危険です。
左折せずに舗装道路部分をそのまま進むと、国道と平行して丘の上を南下し、美谷の港の手前で国道と合流する道路に出ます。この道路の適当な場所からさらに山側にいけるところまで行くと、磯谷牧場に至る道路に入ることができます。このルートだと全て舗装道路になっています。
    
まだ整備中ということもあり、最終的にこのポイントの名称がどうなるのかはわかりませんが、間違いなく、人気のドライブポイントになることと思います。
今回は気象条件が悪く、この程度の写真しか撮れませんでしたが、早朝あるいは黎明時の東側の風景、そして、日没時の西側の風景には期待できそうです。
寿都方面は扱い方が難しいかもしれませんが、これも秋の日没時の撮影対象としてチャレンジしてみたいと思いました。