公益社団法人 日本技術士会北海道本部

第104回技術交流研究会
 
●日時  平成18年9月13日(水) 15時00分〜17時00分
●場所  札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号 (株)ドーコン会議室
●出席者数 22名

●講演概要
◆話題提供その1
 『我が国のエネルギー政策とメタンハイドレード』
  能勢一之 (建設部門)
 ◆講演要旨
 この10年余りの間にインターネットは世界的に爆発的な勢いで広がり、現代情報化社会の基本的インフラとなった。特にWorld Wide Web(いわ我が国のエネルギー政策は、経済産業省の総合資源エネルギー調査会で策定されている。その基本的概念である「基本計画」については、現在、再検討中であり、今秋改定される予定である。
 米国でも4年かけて新エネルギー政策を策定し、水素技術開発、クリーンコール技術、新型原発、バイオマス等に「新エネルギー対策予算」を計上している。
 ここでは、我が国のエネルギー政策の課題と北海道の貴重なエネルギー資源の開発について話題提供を行った。
 
◆話題提供その2
 『仮想化−お薦めできるIT技術』
  小山田応一 (情報工学部門)
 ◆講演要旨
 21世紀になってIT技術の進歩は目覚しい・・・と世の中では言われています。実際にそのとおりです。IT技術は単純にハードウェア技術とソフトウェア技術に分けられます。ここ10年間でコンピュータは飛躍的な性能向上を遂げ、インフラにおいてはブロードバンド通信の普及が進みました。前者は数百倍、後者に至っては1000倍以上の向上で20世紀のLAN並みの速度でインターネットを利用することが可能となりました。これらはハードウェア技術の進歩の恩恵ですが、それらを活かすソフトウェア技術には顕著な変化は見られません。個人のPCを見てみましょう。OSがあり、ハードウェアを使用するためのドライバがあり、ワープロ、表計算ソフト、Webブラウザがあります。これらの組み合わせは10年前も、現在も変化していません。年々、GUI、色、機能などが多様になったという程度でしょう。実際には様々な技術の集大成なのですが、ユーザは「技術」に感心して導入するというよりは、システムベンダの意向に沿って新規のアプリケーションやシステムを決して積極的とはいえない姿勢で導入しているのが現状です。
 「仮想化」とは「コンピュータ上に別のコンピュータを実現する」ものであり、ソフトウェアが主役となる技術です。ソフトウェアだけで実現している場合はエミュレータと呼んでも同じです。概念としては決して新しいものではありません。大型計算機では、昔から物理的に複数のコンピュータとして扱えるように設計されています。また、PC上でもかなり前から存在していましたが、開発者や特別なアプリケーションを使用するために一部のユーザが使用しているものでした。それが、近年のPCの性能向上とメモリやストレージの価格低下により、仮想化によるシステムでも十分な性能を発揮できるようになりました。さらに、2006年になってから大手ベンダの仮想化アプリケーションの無償公開やオープンソースの出現などにより利用するための敷居が下がったこと、システムの信頼性向上やコスト削減に大いに有望だということで随分と話題になっています。
 本日は、以下の観点で「仮想化」の導入メリットについてお話を進めていきます。
  ○コスト削減
  ○信頼性向上
  ○レガシーマイグレーション
  ○本当のマルチタスク
 「仮想化」はユーザの不安を煽り立てて、導入を促してベンダが儲けるような技術ではありません。情報システムの運用・保守、開発、及び個人の利用にも十分有益な技術です。
 
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