公益社団法人 日本技術士会北海道本部

第104回技術交流研究会
 
●日時  平成18年6月1日(木) 15時00分〜17時00分
●場所  札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号 (株)ドーコン会議室
●出席者数 18名

●講演概要
◆演 題
 「北海道内医療機関によるホームページ開設の現状と問題点」
  札幌医科大学 医学部衛生学講座 助手 三瀬 敬治 氏

◆講演要旨
 この10年余りの間にインターネットは世界的に爆発的な勢いで広がり、現代情報化社会の基本的インフラとなった。特にWorld Wide Web(いわゆるホームページ、以下HP)は、インターネット=HP、と解釈されるほどに一般的なものとなっている。
 一般の企業にとってもHPは、名刺や広告と同様に、重要な企業情報提供の手段であり、新しい会社と取引を始める場合、まずその企業のHPを見るケースは多いだろう。またインターネットの専門的知識や技術がない者でも簡単にHPを構築できるソフトウェアが安価で提供されており、個人でも情報のやり取りを楽しめる。HP製作を業務とする会社も多い。
 医療機関においても状況は同じである。具体例として2002年10月に札幌市の一般診療所のうちHPを公開していたところは8.9%であったが、2006年6月現在では31.3%に増加している。また現在、札幌市の病院のうち79.2%がHPを公開している。北海道内の傾向としては、病院、一般診療所、歯科診療所の順にHPを公開している医療機関の割合が多く、札幌市は他の市町村よりもHPを公開している医療機関の割合が多い。演者が調査した医療機関のHPはリンク集として札医大のサーバ内で公開している。(http://www.sapmed.ac.jp/~mise/)
 しかしながらこの状況は、様々な環境でHPにアクセスする利用者がいることを忘れ、利用者、すなわち患者さんに対して不親切なHPをも量産させてしまうことにつながっている。場合によっては、まったく利用不可能なケースも生じる。
 この一因としては情報転送速度の高速化、新しい技術を取り入れることが逆に災いしている場合も多い。インターネットとは本来「情報の共有」が目的のはずである。新しい技術が用いられることは素晴らしいが、ほんの少しの配慮で、さらに多くの人が情報を共有できるはずである。これは同時に地味ではあるが、その医療機関や企業のイメージアップにもつながるであろう。
 ここでは、北海道内の医療機関のHPの状況を説明し、HP作成の基本的概念の説明を交え、アクセスする環境によってどのように問題が生じるかの例を紹介した。またHPを作成する場合に医療機関のみならず一般の企業においても考慮すべき点を提言した。
 
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