第81回工業技術研究会
日時 平成12年6月1日(木)午後3時〜5時半
場所 札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号
北海道開発コンサルタント(株) 会議室
出席者数 名
情報交換
講演 ”産業クラスター構築の要素”
― 循環型農業開発への展開 ―
北海道大学先端科学技術共同研究センター
助教授 荒磯恒久 氏
<要旨>
クラスターとはブドウなどの「房」の意味で、企業、地方自治体、公設試、大学などが連携した創造性豊かで強靱な産業構造体をイメージするものです。では、現実にどのように構築されるのか、極寒の地でクラスターを成功させたフィンランド・オウル市の事例を見ながら、地域に対する大学の役割、資金援助のあり方、コーディネート文化の醸成などについて議論を進めたいと考えています。
さらに、その具体的な道筋として北海道に循環型の農業を構築していく方法について、私の経験を交えて考えていきたいと思います。
講演の項目
1.産業クラスターと大学の役割
@産業クラスターと大学
A地域経済と大学
B産業技術と大学
2.フィンランドでのクラスター形成
@フィンランド・オウル市の経験
1) テクノポリスの形成
・ 企業、公設試、大学を横断する。
・ 新しいアイディアを生む「出会い」を作る環境
・ 偶然を必然化する頭脳の集積、相互理解、背景のレベルアップ
2) 資金援助のシステム
・ 生まれたアイディアを育てる環境
・ アイディア・起業・発展の各段階に適応する資金援助・投資
Aフィンランドとアメリカの起業家支援システム
1) 産学官トップのネットワーク
2) ベンチャーキャピタリスト
3) 北海道との比較
3.クラスターを形成する要素
@セクターをつなぐ情報ネットワーク
A場所と資金
1) 街のなかのテクノポリス
・ リニア型と並列型の開発研究
2) 産学融合施設(大学共同研究センターなど)
・ 規制緩和、特に大学教官の活動について
3) 起業初期を支えるベンチャーキャピタル
・ EX:北大アンビシャスファンド、つくばファンド
4) 日本では官・科学技術財団がベンチャーキャピタル?
Bコーディネーター
1) 産:自社の利益
2) 官:資金は公平に
3) 学:分かったことは公開
・ 産・官・学をまとめることは新しい文化を作ること
4.循環型農業開発への展開
@高収量化
A高品質化
B循環型農業への技術
C農業の企業化
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