公益社団法人 日本技術士会北海道本部

第72回工業技術研究会
日時 平成10年6月4日(木)午後2時〜5時
場所 札幌市厚別区厚別中央1条5丁目4番1号
   北海道開発コンサルタント(株) 会議室

出席者数 22名
情報交換
講演 ”ホログラフィと平板の振動モード”
     北海道工業大学機械工学科
        教授 工学博士 丸山晃市 氏

<要旨>
ホログラフィ(holography)は、光の波動性を利用したもので、光の強度と位相の変化を干渉縞の形で同時に記録および再生ができ、記録した写真乾板やフィルム(ホログラムという)を記録したときの光で照射することによって、もとの像を三次元的に再生できる新しい写真技術である。
ホログラフィの技術は、1948年に電子顕微鏡の解像度を上げる研究をしていたD.Gabor(ロンドン科学技術研究所)によって発見された。その頃は、まだ、レーザーが発明されていなく、良質な光源がなかったことから、あまり発展しなかったが、1960年にMaimanがルビー・レーザーの発振に成功し、1962年にE.N.LeithとJ.Upatnieksがこのレーザー光を使ってGaborの技術に画期的な改良を加えて三次元画像の記録と再生に成功した。
ホログラフィは、膨大な空間情報の記録や再生が可能であることを利用して、コンピューターの記憶端子や微少な変形量の測定などへの応用研究が進んで、すでに実用化されているものも多い。太陽の光や電灯の光などを使ったホログラムもつくられ、芸術的作品やアクセサリ、舞台芸術やインテリア・デザインなどにも進出し始めている。
今回はこれらの研究のうち平板の運動方程式について、円板と長方形板を主体にし、また、1.周辺を固定した円板、2.全周を固定した扇形板、3.3点を等間隔に支持した円板、4.全周を固定した台形板、5.全周を固定したH型板、6.切り欠きのある円板、7.補強された円板、8.スリットのある平板、について、それらのホログラフィ干渉法により作成した実測写真をもとに概要を解説した。