第58回工業技術研究会
日時 平成8年2月1日(木)午後2時〜5時
場所 札幌市中央区北4条西5丁目アスティ45ビル
北海道開発コンサルタント(株) A会議室
出席者数 16名
情報交換
講演 ”シビックデザイン(橋と景観)”
(株)構研エンジニアリング
取締役 技術部長 田川輝昭 氏
<要旨>
わが国の戦後の社会資本整備は、機能性、安全性、経済性重視の考え方で行われてきた。しかし、国民の生活水準の向上とともに、経済社会の成熟度にふさわしい、機能的で美しい公共施設が求められてきている。
最近では、公共施設の景観性に対する意識の高まりを見せ、美的に景観を整備するとともに、より良いデザインにより公共の利用空間そのものを快適で質の高いものとしていく意識が定着しつつあり、各方面での努力が進められている。
ここでは、シビックデザインの概念、橋梁技術者としての取り込む姿勢と、橋梁の景観設計の問題点と課題について話題提供していきたい。
1. シビックデザイン
シビックデザインとは、国土と都市の基盤形成を担う公共土木施設のデザインである。
建設省では、産官学の協力による「シビックデザイン導入手法研究委員会」を発足させ社会資本整備の中心的役割を担う公共土木施設のシビックデザインを導入する方策について検討を行い、シビックデザイン導入推進のための提言を取りまとめた。
シビックデザインの定義は「地域の歴史・文化と生態系に配慮した、使いやすく美しい公共土木施設の計画・設計」であり、シビックデザインは公共施設を対象とするものであることから、それが備えるべき要件は、永続性、公共性、環境性の3要素といわれ、他のデザインの概念との比較を明確にしなければならない。
2. 土木技術者の取組み
土木構造物の景観設計を実施するとき、どのように設計したら良いのか、基本をどう考えたら良いのかという疑問にぶつかります。通常の橋梁では、芸術的な橋を作る必要はないが、少なくとも「美しくない橋」を作るようにしなければならない。
ここでは、橋梁のデザイン例を挙げ、シビックデザインの問題点と課題について紹介された。
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