公益社団法人 日本技術士会北海道本部

第55回工業技術研究会
日時 平成7年8月3日(木)午後2時〜5時
場所 札幌市中央区北4条西5丁目アスティ45ビル
   北海道開発コンサルタント(株) A会議室

出席者数 12名
情報交換
講演 ”地すべりと道路災害”
     (有)仲野防災技術研究所
        代表取締役 仲野昭治郎 氏

<要旨>
1. 日本の地すべり地分布
2. 地すべりによる災害の歩み
戦後の人口増加、土地利用の高度化に伴い、山間奥地の開発が進むにしたがって地すべり災害が多発し、特に道路・鉄道・公共施設などが直接被害を受けるようになった。道内における戦後の代表例として、乙部町の豊浜地すべり、上の国町の湯の岱地すべり、美唄市の北1の沢地すべり、積丹町の小泊地すべり等があって、国道・道道・鉄道・産業施設、人家等が直接被害を受けたことはテレビ、新聞等で周知のところである。
3. 地すべりと道路災害
地すべりによる道路の災害形態は、1.道路開設による初生地すべりの発生、2.地すべり地帯の道路開設による地すべりの再発、に大別される。
4.道路と地すべり対策
地すべり調査による道路予定線の決定には、次の事項の確認が緊要である。
(1)道路予定線付近の地すべり地有無を確認する。
(2)新旧地すべりとその形態を確認する。予定線付近に地すべり調査データがあれば収集する。
(3)活断層地形、クラツク地形、ケスタ地形、麓屑面地形、リニヤメント地形、鉱物資源採掘坑道跡の有無等の確認。
(4)湿地、泉、湧水の位置形状、および簡易な水質(比抵抗値、水温)を確認する。
以上の結果によって予定線の確認、対策工事有無の判断をすべきである。