公益社団法人 日本技術士会北海道本部

第43回工業技術研究会
日時 平成5年8月5日(木)午後2時〜5時
場所 札幌市中央区北4条西5丁目アスティ45ビル
   北海道開発コンサルタント(株) A会議室

出席者数 11名
情報交換
講演 ”ヨーロッパひとっ飛び”
     松井技術士事務所
        所長 松井義孝 氏

<要旨>
平成4年7月12日から16日間の日程で、スペインにおいて行われた第10回世界地震工学会議に参加し、又ヨーロッパ各国(イギリス、ノールウェー、スイス、スペイン 、フランス)を研修し、各国のトピックと印象を報告したものである。
1.深みある歴史国イギリス
テームズ川に架かる橋梁、特にロンドンタワーブリッジ、そしてケンブリッジ大学において遠心分離設備を見学し、意見交換をした。大学の建築物には品格の良さを漂わせていた。
2.自然の国ノールウェー
山と海が入り込んでいる国であり、ゾルゲフィヨルドを2日掛りで見て歩いた。ここでは2つの貴重な現場を視察し、1つは北海油田の建設現場であり、プラットフォームをプレキャストで造り海底において架設する技術は世界一である。もう1つの現場は、岩盤の山を刳り貫いたアイスホッケ場の建設現場である。
3.14世紀の橋「カベル橋」
660年前の屋根付き木橋である。先日8月18日に心無い人によって焼失したと新聞で見た。歴史を、文化を無造作に消滅させる人の神経は私には計り知れない許すべからざる行為であると思う。
4.スペイン
セゴビアにおいて2000年前の水道橋を見た。紀元前1〜2世紀の施工技術に興味を感じた。マドリードにおいて発表したが、当初7分の予定を12分に延長する旨の変更には四苦八苦した。
5.華麗なる街パリ
セーヌ川に架かる橋は周辺の街並みとマッチしていてさすがにフランスと感動した。
6.おわりに
ヨーロッパは歴史の中に文化が根付いており、それがどこの国でも街並みに表れている感がした。私たち技術者も社会資本や歴史を通して創造的な文化を身につけていく事が大切であろうと思う。