公益社団法人 日本技術士会北海道本部

第25回工業技術研究会
日時 平成2年8月7日(火)午後2時〜5時
場所 札幌市中央区北4条西5丁目アスティ45ビル
   北海道開発コンサルタント(株) A会議室

出席者数 6名
情報交換
講演 ”近頃の業務について”
     廃棄物工学研究所
        所長 三井茂夫 氏

<要旨>
(1)最近は、専ら炭焼きです。その訳は、粉炭が土壌改良材として見直されてきたところに、ゴルフ場の問題にマスコミが火をつけたからです。
一方で、建設廃木材の処理とか、木工場廃棄物、あるいはから松間伐材の処理とかがからんでいるわけです。
私は流動層屋ですから、流動炭化はすでに大小5基位も作ってきましたし、当研究所の小型流動層でのテストも数ヵ所から依頼があります。その他に、昔からの炭焼窯とか平炉などの指導も頼まれました。これらは、“化学工学”の眼でみると興味あるもので、目的によっていろいろと改良の余地もあります。便長炭を作ることは容易ではないし、古くからの伝統的な技術があります。しかし土壌改良材の粉炭を作るとなれば別だからです。
今更炭焼きかと笑われるかもしれませんが、結構難しく、そして面白いものです。
(2)この4月、フィリッピンに行ってきました。ODAの仕事で、国立研究所に、流動層などの実験設備を入れるためです。4月が、当地の盛夏とは知らず、毎日毎日が30°Cを越しており、雲一つない。フィリッピンの気象台員は何をしているのかねと、ある技術者が(この人も技術士)ポツンと言ったのには吹き出してしまった。
仕事はともかく、25歳以下の人口が75%と、観光案内書に書いてありましたが、研究所内のドブ池で、多勢の子供が泳いでいました。研究所から何が出ているか、考えると寒気がします。
スペインは宗教を、アメリカは英語を残したと言われます。日本は何が出来るのでしょうか。考えさせられるところです。