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第19回工業技術研究会
日時 平成元年8月9日(水)午後2時〜5時
場所 札幌市中央区北4条西3丁目建設会館
北海道開発コンサルタント(株) 3F応接室
出席者数 9名
情報交換
講演 ”一村一品の企業化計画”
栗林益美 氏
<要旨>
最近は町おこし村おこしのために、一村一品運動に代表されるような新製品の開発・企業化競争が盛んである。そこで、新製品を企業化する場合に、どのような点に留意し、かつ手順を辿れば、後悔の少ないコストミニマムの新工場を建設出来るかについて、主としてプラントエンジニアリングの観点から考察し、構想段階におけるFeasibility Study(以下FS)の重要性と、幾つかの問題点について述べられ、次のように結論づけられた。
(1)企業化の前に、FSという段階を是非踏むべきである。この期間と費用はそれほど大きなものではなく、その後の投資リスクを考えたらFSを省略することはむしろ無謀とさえいえる。
(2)新製品企業化を計画した場合、企業家は出来るだけ早く研究段階からプラントエンジニアを参画させて、研究とエンジニアリングの二人三脚方式でプラント構想を作るべきである。
(3)FSにおいてはエンジニアのみでなく、営業・総務・経理・資金などの関係者を参画させて、計画の前提条件からプロセスの組み立て・積算・流通販売・資金・経済性計算までのサイクルを何回も廻して案を練り、収れんさせたものを計画案とする。
(4)FSを行えば、プラントメーカーあるいは施工業者の調査費・リスクが軽減されるから見積り額が安くなることになり、FSの費用以上にメリットを生むことが期待される。
(5)しかし、「FSが如何に完璧であっても根底にあるプラント技術が不充分であれば儲かる工場の建設は出来ない。」ということは論ずるまでもない。
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